1. はじめに
「家族とは、血のつながりだけで決まるものなのだろうか。」
『そして、バトンは渡された』は、そんな問いを優しく投げかけてくれる物語です。
親が何度も変わり、名字も4回変わった少女・優子。
一見すると複雑で大変な人生のように思えますが、彼女はたくさんの愛情に包まれて成長していきます。
読み終えたあとには、家族の形に正解なんてないのだと、温かい気持ちになれる一冊でした。

2. 『そして、バトンは渡された』とは
本作は、瀬尾まいこによる長編小説です。
2019年に本屋大賞を受賞し、多くの読者の涙を誘いました。
また、2021年には映画化もされ、大きな話題となりました。
本作が描いているのは、特別な出来事ではありません。
誰かを想う気持ちや、家族の優しさといった、何気ない日常の中にある愛です。
だからこそ、多くの人の心に深く響く作品になっています。
3. あらすじ(ネタバレなし)
森宮優子は、幼い頃に実母を亡くし、その後も父親や母親が次々と変わる複雑な家庭環境で育ちました。
名字は4回も変わり、何人もの親と暮らしてきました。
しかし、どの親からも愛情を注がれ、不幸を感じることなく成長していきます。
現在、高校生になった優子は、血のつながらない父・森宮さんと二人暮らしをしています。
球技大会や恋愛、進路など、普通の高校生らしい悩みを抱えながらも、穏やかな日々を送っています。
そして時が流れ、優子が結婚を迎える頃、これまで彼女を育ててきた家族たちの深い愛情と、大きな秘密が明らかになっていきます――。
4. この本の見どころ
① 血のつながりを超えた家族の愛
本作最大の魅力は、さまざまな形の家族が描かれていることです。
血がつながっていなくても、家族になれる。
そして、人は誰かを心から愛し、大切にすることができる。
そんな当たり前のようで難しいことを、この作品は優しく教えてくれます。
② 森宮さんの不器用な優しさ
現在の父親である森宮さんは、とても不器用な人物です。
しかし、優子のことを誰よりも大切に想っています。
二人の何気ない会話や日常のやり取りがとても温かく、読んでいて自然と笑顔になりました。
③ 伏線がつながる感動のラスト
物語の終盤では、これまでの出来事や登場人物たちの行動に込められた意味が少しずつ明らかになっていきます。
そして最後に知る「家族の愛」の大きさに、胸が熱くなりました。
優しい涙が流れる、素晴らしい結末でした。
5. この本から学べること
家族の形に正解はない
家族にはさまざまな形があります。
血がつながっていることだけが家族ではありません。
大切なのは、一緒に過ごした時間や相手を想う気持ちなのだと感じました。
愛情は受け継がれていく
誰かから受け取った優しさは、また別の誰かへとつながっていきます。
まさにタイトルの「バトン」のように、愛も人から人へ渡されていくのだと思いました。
人は一人では生きていけない
私たちはたくさんの人に支えられながら生きています。
そのことを改めて気づかせてくれる作品でした。
6. こんな人におすすめ
- 心が温かくなる小説を読みたい人
- 家族をテーマにした作品が好きな人
- 本屋大賞受賞作を読んでみたい人
- 泣ける小説を探している人
- 優しい気持ちになれる物語が好きな人
- 読後感の良い作品を読みたい人
7. 読んで感じたこと
この本を読んで感じたのは、
「愛されて育った記憶は、一生の支えになる」
ということでした。
優子は決して普通の家庭で育ったわけではありません。
それでも、たくさんの人から愛されてきたからこそ、まっすぐで優しい人に成長していきます。
また、本作は「家族とは何か」を改めて考えさせてくれる作品でもありました。
読んでいると、自分を支えてくれた人たちのことを思い出し、感謝を伝えたくなります。
悲しい場面もありますが、最後には温かい気持ちで満たされる一冊でした。
8. 作品情報
タイトル:そして、バトンは渡された
著者:瀬尾まいこ
ジャンル:ヒューマンドラマ・家族小説
テーマ:家族、愛情、成長、人とのつながり
読了時間目安:5〜6時間
おすすめ度:★★★★☆(4.0/5)
9. 総評
『そして、バトンは渡された』は、血のつながりを超えた家族の愛を描いた感動作です。
優しさにあふれた登場人物たちと、少しずつ明らかになっていく真実に、何度も胸を打たれました。
家族とは何か。
人を愛するとはどういうことか。
そんな大切なことを、静かに教えてくれる物語です。
読み終えたあと、大切な人に「ありがとう」と伝えたくなる、心温まる一冊でした。


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